浦添グスク

国指定史跡「浦添城跡」のガイダンス施設です。浦添グスクと浦添ようどれの発掘調査での出土品や、戦前のパネルなどを展示しています。また、浦添ようどれ西室（英祖王陵）内部を実物大で復元し、県指定文化財の「浦添ようどれ石厨子」のレプリカも展示しています。
うらおそい歴史ガイド友の会による浦添城跡・浦添ようどれなどの案内も行っています。

伊祖城跡（伊祖グスク）は、琉球国初期に栄えた英祖王父祖代々の居城で、英祖王もここで生まれたといわれています。所々に切石積みや野面積みの石積み城壁の遺構が残っています。発掘調査が行われていないため、詳しいことは分かっていませんが、グスク時代の土器、中国製陶磁器などが発見されています。
戦前まで旗竿を立てる岩「旗立て」があったとされる頂上付近からは海岸が一望できます。
首里王府が編纂した歌謡集『おもろさうし』では、琉球の国土創生神であるアマミキヨが造ったグスクとされています。

浦添城跡や浦添ようどれのほど近くにある当山の石畳道は、首里と本島中部をつなぐ「普天満参詣道」の一部。琉球王国時代、国王はこの道を通って首里城から普天満宮へと参詣したといわれています。現在修復保存されている部分は、全長約200m・幅3mほどですが、「馬ドゥーケーラシ（馬転ばし）」と呼ばれる、馬が転ぶほどの急坂がある交通の難所として知られていました。また、牧港川に架かる橋は大正・昭和時代に改築されました。

首里城から続く琉球王国時代の宿道で、首里城を起点として浦添を経由して読谷に至るルートでさらに恩納や国頭方面をつなぐ当時の主要道路でした。現在は安波茶橋とその周辺に石畳道が残されており、橋の下流側には、赤い皿（椀）で水をくんで国王に差し上げたと伝えられる赤皿ガーがあります。安波茶橋は小湾川架けられた南橋と支流のアブチ川に架けられた北橋からなります。1597年に首里平良から浦添グスクまでの道を整備したときに造られたと考えられています。

日常の飲用水や生活用水としての利用を始め、産水・正月の若水などをくむ場所でした。『琉球国旧記』（1731年編纂）にはすでに樋が掛けられていたことが記されています。昭和10年（1935年）には大規模な改修工事が行われ水タンクが設置されました。タンクの水は飲み水として使われ、次に「平場」で洗濯などに使われた後、農具や馬を洗う「ウマアミシ」にそそぎ、最後は苗代田を潤しました。ここには大切な水を再利用する工夫が見られ、現在も人々の信仰の対象となっています。

沖縄初の公立美術館として平成2年に開館しました。八角形のドーム屋根と高い塔の建物外観が特徴です。常設展示室と企画展示室などを備えており、漆芸品を中心に、絵画や焼物、染織、金工など延べ2000件の美術品を収蔵しています。 常設展示室では、年3回の展示替えを行い、16世紀から現代までの琉球漆器を通して琉球・沖縄の歴史や文化を紹介しています。また工芸を体験できる年数回の実習教室を開催しています。

本島西海岸では希少な、昔と変わらぬ海の風景が残る空寿崎にある「亀瀬（カーミージー）」。岩の形が亀の姿に見えることからついた愛称で住民から親しまれてきました。ここの海岸や浅瀬には、昔からの自然が残されており、砂地や岩場にはさまざまな海の生き物が生息し、沖縄の海の豊かさを実感できる場所です。

米軍人やその家族が住むための賃貸物件として基地周辺に外国人向けの住宅が建てられ、沖縄の本土復帰後、1980年代～90年代には、沖縄の人たちの賃貸住宅としても利用されるようになりました。さらにその後、2000年代には、管理会社がエリア一帯を「港川ステイツサイドタウン」と名付け案内看板を設置し、各通りにもアメリカの州の名前をつけ周辺を散策しやすくしました。その頃から、リノベーションを可能としたため、店舗として利用する人が増え、それぞれのセンスでおしゃれに改装したカフェや雑貨店などがオープンしました。今では、レトロな街並みがSNS映えすると話題を呼び多くの観光客が訪れています。

仲間集落発祥の地と伝えられています。『琉球国由来記』（1713年編集）には「コバシタ嶽」と記されていますが、コバシタとはクバの木の下という意味です。
一帯はウガングヮーヤマとも呼ばれ、戦前は大木がうっそうと茂っていました。クバサーヌ御嶽には石で積み封じた神墓があったそうです。

玉城朝薫（1684～1734）は琉球独特の歌舞劇『組踊』の創始者です。彼は中国からの冊封使を歓待するために踊奉行となって組踊を生み出しました。
この墓は庭の石積みなどが曲線を描くのが特徴的で、亀甲墓が成立していく17世紀後半から18世紀前半に造られたと考えられます。

浦添御殿は、第二尚氏第14代国王・尚穆王（在位1752～1794）の次男・浦添王子朝央を元祖とする家系で、近世琉球を代表する政治家や文化人を輩出した由緒ある家系でした。市内でも最大級のこの墓は18世紀末に造られたと推定され、巧みな石積みや墓正面に使われた巨大な石が浦添御殿の栄華を今に伝えています。

浦添城跡や浦添ようどれを敷地内におく浦添大公園の南口。
展示コーナーに設置しているVRゴーグルではアニメ「琉球タイムライン」のヒロイン目線で高精細CGにより再現した往時の浦添グスクや浦添ようどれを巡ることができます。

城下からは、グスクの城壁を望むことができます。沖縄特有の琉球石灰岩を積み上げた城壁で、日本の城には見られない曲線を描くように積み上げられた美しい姿が特徴です。

グスクからは、察度王の治めた中山の領域が一望できます。肥沃な浦添の大地と、点在する村々が広がり、牧港の入り江と西に広がる海が堪能できます。