ぶらり東京街散歩 新選組篇

肺結核を患っていた沖田総司は、浅草今戸神社から植木屋平五郎宅に移動し、この地で逝去したと伝えられている。総司が療養していた離れのそばには玉川上水にかかる水車もあり、畑や田んぼに囲まれた、のどかな風景だったという。

近藤勇の生家・宮川家は、甲州街道上石原宿のはずれに2000坪を超える広大な屋敷をもつ地元でも指折りの農家だった。現在は、勇が生まれた時に産湯に使ったと伝わる井戸が残され、その隣には近藤神社が建立されている。

副長・土方歳三の生誕地にある資料館では、愛刀・和泉守兼定や直筆の書簡、池田屋事件で使用した鎖帷子などの遺品や貴重な資料を数多く収蔵・展示している。幼少時に歳三が相撲の稽古をしたという大黒柱や自ら田植えした竹なども。入館料：小学生以上一般800円。

土方歳三の生家にほど近い高幡不動尊は土方家代々の菩提寺であり、境内には歳三の銅像が建立されている。奥の大日堂には、近藤、土方、沖田らの位牌が安置され、奥殿には歳三直筆の手紙や新選組の幟なども展示されている。

新選組隊士の書状をはじめ、新選組の事績や日野とのかかわりを示す貴重な史料を展示している。

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甲州街道の宿場町・内藤新宿の入口である四谷大木戸は、試衛館と多摩を往来する近藤らがしばしば通った関門。土方歳三が隊士募集で江戸に戻る際に強引に押し通った逸話がある。甲陽鎮撫隊が甲府へ出発する際にも通っている。

土方歳三の姉のぶと、その夫である新選組を支援した佐藤彦五郎の子孫が営む私設資料館。土方、近藤らの肖像写真や書簡、近藤勇から譲り受けたピストル、天然理心流の免許状など、新選組隊士たちの貴重な遺品を所蔵している。入館料：一般500円・小中学生300円。

釜屋は、東海道品川宿の幕府御用宿として使われていた旅籠風の茶屋。土方歳三が新選組隊士を連れて休息した記録がある。その後、鳥羽・伏見の戦いに敗れた新選組は、船で品川に上陸した後、しばらく釜屋に滞在したという。

新福寺は、近藤勇や土方歳三が隊士募集のために江戸に来た時に滞在した場所。井上源三郎や永倉新八、武田観柳斎らも同行していたという。ちなみに、明治時代の文豪・夏目漱石は大学受験に向けてこの寺の2階に寄宿していた。

青山霊園には戊辰戦争に関わった人々が数多く眠っている。板橋宿に出頭した近藤勇の正体を見破った加納鷹雄や篠原泰之進ら元新選組隊士の墓のほか、大久保利通や西郷隆盛の妻子といった新政府軍関係者も眠っている。

甲州勝沼戦争に敗れた新選組が本陣を置いた場所。新政府軍に包囲された近藤勇はこの地で切腹を決意するが土方歳三に止められ、「大久保大和」という偽名で出頭することにした。これが近藤と土方の最後の別れとなった。

流山で包囲された近藤勇は「大久保大和」という偽名を名乗って越谷宿の新政府軍総督府に出頭し、板橋宿にあった本陣に身柄を移された。ここで近藤の素顔を知る元新選組隊士に正体を見破られ、斬首されることになった。

彰義隊士と旧幕府軍の戦死者を慰霊する寺。死節之墓には、近藤勇や土方歳三らの名も刻まれ、供養されている。上野戦争最大の激戦地・寛永寺から移築された黒門には銃弾の穴が数多く残っており、戦いの激しさを伝えている。

近藤勇が新政府軍に出頭した後、土方歳三は流山を脱出し、当時赤坂にあった旧幕府陸軍総裁・勝海舟宅を訪れて近藤の助命工作を依頼した。しかし、願いもむなしく近藤は処刑された。勝海舟は人生の大半を赤坂近辺で暮らしていた。

剣客としても有名な幕臣・山岡鉄舟は、新選組の前身・浪士組の最初の取締役を任じられたが清河八郎の暗殺を機に罷免された。勝海舟とともに江戸無血開城に尽くし「幕末の三舟」と呼ばれた山岡鉄舟と高橋泥舟の邸宅は隣り合っていた。

日野宿、甲州道中、新選組等に関する資料展示のほか、観光案内所などが設けられた公共施設。館内の物販コーナーでは、新選組をテーマにしたオリジナルグッズや「土方歳三うどん」などのユニークな商品が手に入る。

近藤勇ゆかりの三鷹にある新選組をテーマにしたカフェ。だんだら模様の隊服から名付けられた店の中は新選組グッズで埋め尽くされ、新選組ファンが全国から集まってくる。「誠」の隊旗をデザインしたスイーツも人気。

日野八坂神社は、天然理心流の剣士たちが崇敬した日野の総鎮守。若き日の近藤勇や土方歳三らが剣術の上達を祈願して納めた奉納額が現存している。毎月変わる御朱印やオリジナルの御朱印帳にも 新選組のデザインが施されている。

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甲陽鎮撫隊として甲州に向かう途中、近藤勇は生まれ故郷・上石原宿にある西光寺で休息した。大名格となった近藤は、故郷に錦を飾った英雄として大いに歓待された。境内には、没後130年を記念して建立された近藤勇の座像がある。

新選組副長助勤・原田左之助は、甲州勝沼での敗戦後に近藤勇らと衝突して離脱。その後、彰義隊に参加したが上野戦争で追った傷がもとで没した。激戦地だった上野公園には、西郷隆盛像のすぐそばに彰義隊の戦死者を弔う碑がある。

新選組一番隊組長の沖田総司が初宮参りをした櫻田神社。江戸時代、白河藩屋敷があったこのエリア（現在の港区西麻布）で沖田は生まれ育ったと伝えられている。

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