高岡御旅屋
エリア:北陸・東海
住所:富山県高岡市御旅屋町
「御旅屋(おたや)」とは加賀藩特有の用語で、藩主の参勤交代や鷹狩りの際等の休憩・宿泊施設である。藩内(富山・石川県)の主に北陸街道沿いに最大12ヶ所あり、多くは1670年代に創建された。しかし藩は維持できず、1730年代頃に廃止された(高岡御旅屋は1711年に廃止)。
高岡御旅屋の創建年代は諸説あり不明。定説は高岡廃城(1615年)後の元和期(1615~24)とするが、根拠は後世の記録である。高岡市立博物館蔵「飯田家文書」から、遅くとも1623年以前には泉水(庭園)を備えた御旅屋の存在が確認される。
御旅屋は高岡台地上にあり、城大手口から高岡関野神社にいたる城の前線基地の中心的軍事拠点でもあった。各種の絵図によると、面積は約10,800坪(100m×300m)で、周囲は両側を土塁で挟まれた水堀に囲まれている。2区画あり、参勤交代道(現御旅屋通り)沿いに正門を備えた「御屋敷」部分(約100m四方)と、御堀・中島等がある「庭園」部分とに分かれる。屋敷は伏見の豊臣秀次御殿の良材を転用していた高岡城本丸御殿の廃城(1615年)後に、さらにその古材を使用したとも伝わる。
高岡御旅屋は加賀5代当主までは年1~2回程活用したが、老朽化が進み使われていなかった。1711年に御馬出町(おんまだしまち)の天野屋が御本陣に指定され、その役割を終えた。その後は「御虫乾所」や「御武具御土蔵」とされたが、1870年に払い下げとなった。
古地図について | 掲載している古地図は、4種類の古地図を合成し、現在の地形に変形させて掲載しています。 ・高岡中古之図(高岡市立博物館蔵) ・御旅屋御馬場御林等絵図(高岡市立中央図書館蔵) ・高岡御旅屋図(金沢市立玉川図書館近世史料館蔵) ・越中高岡古城図「大図」(金沢市立玉川図書館近世史料館蔵) |
監修:三浦正幸・仁ヶ竹亮介
史跡・周辺情報
桜馬場跡
公益財団法人高岡地域地場産業センター ZIBA(ジーバ)
御旅屋通り商店街
高岡関野神社
町奉行御貸屋(まちぶぎょうおかしや)跡
高岡大仏
高岡市立博物館
射水(いみず)神社
高岡城跡(前田利長騎馬像)
ポンポン山
山町(やまちょう)ヴァレー
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高岡御車山(みくるまやま)会館
有礒正八幡宮(ありそしょうはちまんぐう)
金屋町(鋳物資料館)
総持寺(かんのんでら)
瑞龍寺
前田利長墓所
繁久寺(はんきゅうじ)
木町(きまち)
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影無しの井戸
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