かんなべほんじんとれんじゅく 神辺本陣と廉塾
エリア:中国・四国
住所:広島県福山市神辺町
神辺本陣について
江戸時代、神辺の町は参勤交代の大名が休泊する宿場町として栄えました。その宿泊施設として利用されたのが神辺本陣です。尾道屋菅波家が勤めた西本陣と本荘屋菅波家が勤めた東本陣がありましたが、現在は西本陣が残っています。西本陣は筑前黒田家専用の本陣として利用されていました。
廉塾について
江戸時代の18世紀末に宿場町・神辺に生まれた菅茶山は、博打や飲酒で荒れる神辺の町に学問を広めようと、私塾・黄葉夕陽村舎、後の廉塾を開きます。藩や身分の枠を超えて学問を学ぶ機会を提供した結果、廉塾には全国から多くの塾生が集まるようになりました。
神辺本陣(西本陣)・廉塾は今もなお当時の姿を残し、神辺町を代表する史跡として保存されています。
史跡・周辺情報
かんちゃざんのはか 菅茶山の墓
1827(文政10)年に80歳で没した菅茶山は、川北の黄葉山山麓の網付谷に葬られました。菅家の墓地には26基の墓と2基の招魂碑があり、茶山の墓は墓地の南よりの玉垣で囲まれた木造平屋建瓦葺の須屋に守られ、中に円形の墳墓と墓碑があります。墓碑の撰文は頼杏坪(らいきょうへい)で、「茶山先生菅君之碑」という題額は日野資愛(すけなる)によるものです。
指定種別 | 県史跡 |
かめやまやよいしきいせき 亀山弥生式遺跡
標高37.5mの亀山丘陵には、備後南部に弥生文化が伝えられた紀元前3世紀頃の初期農耕集落が作られました。1980(昭和55)年からの発掘調査では弥生時代前期から中期の三重の環濠集落(かんごうしゅうらく)、東斜面では環濠の外側で全国で2番目に古い土塁(どるい)も発見されました。古墳時代中期になると、丘陵上には短甲(鎧)・鉄刀・鉄剣などが出土した亀山第1号古墳が造られ、この時代の神辺平野東部を統率していた武人の性格を持つ支配者の墓と考えられます。
指定種別 | 県史跡 |
なかたにはいじあと 中谷廃寺跡
暮待寺とも呼ばれる中谷廃寺は、白鳳時代前期(7世紀後半)に創建され平安時代後半まで続いた寺院跡です。発掘調査の結果、西に塔、北に講堂が検出され、東に金堂を配置する法起寺式伽藍配置の寺院であったと考えられます。この地域への初期仏教文化の伝播を知る上で貴重な遺跡といえます。
指定種別 | 市史跡 |
大坊古墳
中条谷の西側丘陵先端に築かれた、巨大な横穴式石室をもつ古墳です。直径14m、高さ約5mの南北方向にやや長い円墳で、15m×12mの長方墳の可能性もあります。全長11.3m、玄室・羨道幅2m、高さ2mの横穴式石室で、表面を磨いたような花崗岩が使われています。玄室と羨道は同じ規模で、玄室は前後二室に分けられ、入口には2本の石柱が立てられています。高度な土木技術を駆使して造られており、7世紀前半の古墳時代終末期頃に造られた首長墓と考えられます。
指定種別 | 県史跡 |
迫山第1号古墳
備後国分寺跡の北西丘陵に迫山古墳群は11基の古墳が確認されています。その中でも最大規模を誇るこの古墳は直径21.5m、高さ5mの円墳で、全長11.6m、玄室幅2.5m、高さ2.8mの南東に開口する片袖式の横穴式石室です。石室規模と出土遺物から神辺平野東部の最も有力な首長墓と考えられます。発掘調査で出土した単鳳環頭大刀(たんほうかんとうたち)などの出土遺物は県重要文化財に指定されています。
指定種別 | 県史跡 |
堂々川砂留
江戸時代の1673(延宝元)年に堂々川上流の大原池が決壊し、下流の備後国分寺も流され63人もの死者があったと記録に残っています。こうした洪水から自分たちの生活を守るため、堂々川水系には8基の砂留が築かれました。中でも、6番砂留は幅56m、高さ13.3mと県内最大規模で、1835(天保6)年に完成したと伝えられています。現在、堂々川水系の土砂災害はなくなりましたが、6番砂留の背後の堆砂敷には堂々公園が作られ、キャンプ・ハイキングや各種イベントに利用されています。
指定種別 | 国登録有形文化財 |
見学情報 | 駐車場、トイレあり |
はやたこうじんじゃのむくのき 早田荒神社のムクノキ
ムクノキはニレ科の落葉高木で、早田荒神社の境内にあり、目通り周囲4.9m、樹高30mの県内第8番目の巨樹です。樹勢は旺盛で、ムクノキを神木とする例は全国各地で見られ、地元では、「早田の狐や狸が中条へ遊びに行った帰りの目印となるので、切ってはいけない」という言い伝えも残っています。
指定種別 | 市天然記念物 |
なごえのあべまき 名越のアベマキ
アベマキはブナ科コナラ属の落葉高木で、神辺町平野名越の民家の近くの山中にあり、目通り周囲4.0m、樹高20mの県内第5番目の巨樹です。推定樹齢約400年と伝えられ、昔この地に移り住んだ祖先によって「田の水が涸れないよう、また水害に逢わないよう」にと雨乞い・雨止めをつかさどる水の守り神として貴船神社を祀り、神木として植えたものと伝えられています。
メモ | 個人所有 |
指定種別 | 市天然記念物 |
かんなべじょうあとのあべまき 神辺城跡のアベマキ
アベマキはブナ科コナラ属の落葉高木で、中世備後国の守護城であった神辺城跡のある黄葉山の山頂にあり、目通り周囲3m、樹高30mの巨樹です。樹勢は非常に旺盛で、地域のシンボルとして親しまれています。
指定種別 | 市天然記念物 |
ともさだのなつめ 友定のナツメ
ナツメはクロウメモドキ科ナツメ属の落葉高木で、果実は食用・薬用になります。目通り周囲1.9m、樹高8.0mの巨樹で、主な枝からは小枝が数多く分岐し伸びています。幹の下部に空洞があり樹勢に衰えがみられますが、ナツメとして県内3番目の巨樹で、老木としても文化財的価値があります。
メモ | 個人所有 |
指定種別 | 市天然記念物 |
いしづちやまこふんぐん 石鎚山古墳群
第1号古墳(直径20m、高さ3m)は、墳丘の裾と中腹斜面に列石を巡らせ、2基の竪穴式石室があります。第2号古墳(直径16m、高さ3m)は、組合せ式木棺と、割竹式木棺の2基の土杭があります。第1号古墳からは、斜縁二神二獣鏡・玉類・鉄剣・鉄鏃、銅鏃、第2号古墳からは内行花文鏡の破片・刀子が出土しています。築造年代は第1号古墳が4世紀後半、第2号古墳が4世紀末から5世紀初頭頃と考えられます。出土遺物は県重要文化財に指定されています。
指定種別 | 県史跡 |
いのここふん 猪の子古墳
加茂川と百谷川の合流地点に築かれ、平野部を南に一望できる位置にあります。内部主体は切石の花崗岩を使用した南に開口する横口式石槨です。石槨部は長さ2.8m、幅1.1m、高さ0.9mで、羨道部は長さ東3.8m、幅1.7m、現高1.25mです。石材の接合部には組合せのための加工が施され、天井石と各壁との隙間には漆喰が残っており、数少ない古墳時代終末期の古墳として貴重です。
指定種別 | 県史跡 |
くぼたじろうせいかあと 窪田次郎生家跡
明治前期の啓蒙思想家、医療衛生活動家であった窪田次郎の生家跡で、庭園・石垣・土蔵を中心に代々栄えた庄屋屋敷の面影を残しています。
指定種別 | 市史跡・市天然記念物 |
見学情報 | 駐車場あり |
かもじんじゃのけやき 賀茂神社のケヤキ
ケヤキはニレ科ケヤキ属の落葉高木で、根廻り3.7m、樹高約21m、地上6mで5本に枝分かれしており、根張りは東西13.5m、南北12mで樹齢450年といわれています。福山市内のケヤキでは常国寺のケヤキに次ぐ巨樹です。
指定種別 | 市天然記念物 |
見学情報 | 駐車場、トイレあり |
ひめたにやきかまあと 姫谷焼窯跡
姫谷は九谷、伊万里とともに日本の初期色絵磁器の一つで、市右衛門によって開かれたと伝えられ、発掘調査では斜面を利用して築かれた窯跡2基が確認されました。江戸時代前期末から中期前半の短期間に操業されたと考えられており、白磁・染付・鉄絵などの磁器や陶器・窯道具などが出土しています。窯の近くには陶工市右衛門の墓と伝えられる墓が祀られています。
指定種別 | 県史跡 |
すがまちのしだれざくら 菅町のシダレザクラ
シダレザクラはバラ科サクラ属の落葉高木で、枝がやわらかくしだれる桜の総称です。目通り周囲2.4m、樹高12mで樹齢250年と推定され、地上3m付近で枝が二つに分かれています。枝張りは東西16m、南北18mで、花は小さく濃紅色で隔年にみごとな花をつけます。
指定種別 | 市天然記念物 |
見学情報 | 駐車場あり |
ふくせんじのかや 福泉寺のカヤ
カヤはイチイ科カヤ属の常緑高木で、主幹がほとんどまっすぐで、地上約9m付近で小枝を分ち、目通り周囲3.4m、樹高約26mの巨樹でしたが、1992(平成4)年に落雷のため主幹上部12mが折れました。
指定種別 | 県天然記念物 |
りゅうずきょう 龍頭峡
吉備高原の縁辺部を深く刻む浸食谷で、典型的なV字谷として知られています。谷の奥部には四段の滝・龍頭の滝(落差57m)があり、下流には小瀑・早瀬・淵が続き、美観を呈しています。これらの地形は、この一帯が千枚岩質の粘板岩を基盤に、頁岩・砂岩・赤色凝灰岩を挟み、その上を流紋岩で覆う地質構成となり、硬い流紋岩がはがれ、柔らかい粘板岩が次第に浸食されてできたものです。この景観に原始林的様相を示す常緑広葉樹林が光彩を添えています。
指定種別 | 県名勝 |
見学情報 | 駐車場、トイレあり |
かみはらだにせっかいがんきょだいれき 上原谷石灰岩巨大礫
この巨大礫は、赤色の凝灰岩質礫岩層(硯石層)の上に驚異的な規模の石灰岩礫(高さ30m・幅33m・奥行推定35m以上)があり、巨大礫の下は洞窟になって天井から鍾乳石が垂れ、その直下には石筍が成長しています。洞窟の中には式内社の多祁伊奈太岐佐耶布都(たけいなだきさやふつ)神社(岩屋権現)が祀られ、原始信仰の名残をとどめています。
指定種別 | 県天然記念物 |
ひがしのめんのひいらぎ 東免のヒイラギ
ヒイラギはモクセイ科モクセイ属の常緑高木で、周囲が畑になった南向きの斜面にあり、根廻り2.7m、目通り周囲2.6mで、地上1.4m付近で幹が二つに分かれています。枝張り東西10.3m、南北10m、樹高は約10mに達する巨樹です。
指定種別 | 市天然記念物 |
こうみょうじのごようまつ 光明寺のゴヨウマツ
ゴヨウマツはマツ科マツ属の常緑高木で、神社、仏閣、公園などに植えられ、盆栽としても栽培されています。目通り周囲2.2m、樹高15m、枝張り東西14.5m・南北2.2mで、推定樹齢300年と伝えられています。
指定種別 | 市天然記念物 |
見学情報 | 駐車場あり |
ふくやましかんなべれきしみんぞくしりょうかん 福山市神辺歴史民俗資料館
神辺城跡に連なるカカラ山に位置する資料館で、神辺町内から出土した考古資料や収集された歴史資料・民俗資料が3つの展示室に展示されており、神辺町の歴史を系統的に学習することができます。
電話 | 084-963-2361 |
料金 | 無料 |
開館時間 | 9:00~17:00 |
休み | 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 |
見学情報 | 駐車場、トイレあり |
かんちゃざんきねんかん 菅茶山記念館
神辺町出身の教育者、漢詩人、儒学者である菅茶山および関連文人の書画資料を常設展示しています。また、同町出身の筝曲家・葛原勾当および教育者、童謡作詞家・葛原しげるに関する資料や、日本画家で名誉市民の金島桂華、猪原大華をはじめとする絵画等も収蔵しています。
電話 | 084-963-2361 |
料金 | 無料 |
開館時間 | 9:00~17:00 |
休み | 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 |
見学情報 | 駐車場、トイレあり |
やまのみんぞくしりょうかん 山野民俗資料館
1892(明治25)年に建築された山野村役場を改修して資料館としたもので、山野町域で収集された民俗資料・歴史資料などを展示しています。日本風の村役場として現存しているものは、広島県東部においては唯一であり、建物は国登録有形文化財に登録されています。収蔵する山野民俗資料564点は市有形民俗文化財に指定されています。
料金 | 無料 |
開館時間 | 毎週日曜日10:00~16:00 |
休み | 月曜日~土曜日、年末年始 |
見学情報 | トイレあり |